Nadegata

なで肩です。

2017/5/20 CHIIO、SaToA、Hello Hawk、The Wisely Brothers@o-nest

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久々の連日ライブでBillboardの翌日はnest。我ながら振れ幅がでかい。

本日はCHIIOという都内の男女混成インディーバンドの7inchリリースツアー。対バンにSaToA、The Wisely Brothersがいたら女性スリーピース愛好家としては行かぬわけにはならぬ。実は金曜からあまり睡眠とれておらず、眠たい目こすりながらnestへ向かう。

トップバッターはThe Wisely Brothers。初っ端だからか客入りはかなりまばら。先日のワンマンもnestで同じ舞台だったけど、あの時は満員だったので差がすごい。サウザンド・ビネガーからスタートして、ワンマンでもやらなかった初披露の英語詞の新曲もやってくれて大満足。(でもやっぱ客は入ってたほうがお互いテンションは上がる。)

2番手はHello Hawk。初めてみたけど、叙情的かつ疾走感があってかっこいい。ドラムボーカルのバンドって久々に見る気がする。こういう声質とても好きです。アルバム録ってるとか言ってました。レコ発は行こう。

お次はSaToA。もう最高。MC慣れしてない感じもかわいくて良い。こちらも音源期待してます。あと出番待ちの際、客席で前のバンドの演奏をきちんと聴いてて好印象です。端で突っ立って携帯見てるより絶対に良いです。

最後はCHIIO。男女混成で演奏とか良い意味でインディーらしかぬ完成度。生真面目な音。なんというか、クラスの真面目サイドのグループの人たちが集まってる感じ。こういうのもいいっすね。7inch出すくらいだからそれなりに売れてるんかな。

しかし、まだ見ぬこういうレベルのバンドがインディー界隈にゴロゴロしてるのかと思うと、リスナーとしてはとてもいい時代だなぁと思う反面、プレイヤーとしては大変だとも思う。今回のイベントタイトルがDiscoveryだけど、その名の通り、新しい良質バンドを発見できた夜になった。ナイスイベント。

 

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2017/5/19 The New Mastersounds@Billboard Live Tokyo

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The New Mastersounds(以後、NMS)の来日公演に行くのは随分久々だ。確か8年前くらいかな?柱が悪名高い渋谷クアトロで満員の中観た記憶がある。その後アメリカで2回ほど行ったけど、正直なところ西海岸での彼らの人気・知名度は日本のそれより少し劣っているようにその時は感じた。二都市で行ったけど、どちらもガラガラとまではいかないけどかなり空いていて、客のノリもそこまでよくなかった(無論演奏は最高だったが)。同じアメリカでも黒人文化が比較的薄い地域においては、ファンクのような黒い音楽はあまり受けないのかもしれない。

Venueも一回はしっかりしたライブハウスだったけど、2015年のUSツアーで行ったときはビーチ沿いの場末のヒッピー臭のするバーみたいな場所で、店内でお姉ちゃんが売り歩いているPabst Blue Ribbon(通称PBR)というコスパ最強の超絶薄味ビールを缶で買って適宜飲むといういかにも安そうな会場でやっていた。それはそれでよかったけど。

 

そういう意味で日本人は黒い音楽を熱心にDigしてきたカルチャーがあるからか、知識量とか含めてリスナーの平均値がやたら高いのかもしれない。そんな黒汁ウェルカムな土壌の日本で彼らは「銀河系最強ファンクバンド」なんてものすごい異名で紹介され愛されているが、銀河系かは知らんけど、贔屓目抜きに見ても現役で世界最高峰と言っても異論は出ないでしょう。

さて今回の会場はBillboard Live Tokyo。普段ライブに一人で行くことに全く抵抗が無いし、むしろ一人が基本なんですが、BillboardやBlue Noteに行くときは、一人で観に行くのも少しためらうのでいつも誰かを誘うことにしている。

気にしすぎと言われればそれまでですが、家族連れとかカップルが多い中で相席になるとお互い妙に気まずいからという私なりの配慮です。アメリカ時代にEspelanza Spaldingのコンサートに行った際、海辺の野外ステージで4人テーブルで家族で団らんしてる中で一人突入し(指定席だったのだ・・・)、いたたまれない気持ちで観ることになり肝心のライブもEmily's D+Evolution名義だったため、あまり好きになれずどんよりとした気持ちになったあの日の教訓。

今回は友人を誘ってみたものの当てが外れ一人で参加。今回はジャンル的にもたぶん平気だろうと予想。予感は的中し、案の定会場内は普段の4割増位の感覚で一人で来てる男性率が高い。自分のテーブルは前後あわせてほとんど一人で来たおっさんたちだった。良かった。

演奏は言わずもがな最高。席に案内される際、係の人に「今回は途中からスタンディングになりますので・・・」と言われたが、中盤まで立っている人は数人という状況で、後ろの人の見え方とか気になり妙に立ちづらい。しかたないから椅子に座りながら全開で踊っていたが、後半から同じような葛藤を抱えていた周りの一人組のおっさん達がぞろぞろと立ち出しので、後半はスタンディングで思い切って楽しめた。

途中、タマフルリスナーにはお馴染み、バーナード・パーディのドラムフィル「ダ・チーチーチー」*1が何度か出てきて、ウェーイ!と一人心で呟いていたのだが、翌日のタマフルの放送で「ダ・チーチーチー」特集第二弾がちょうどやっており、その中で、今回のライブ前にNMSのメンバーにMobyが「ダ・チーチーチー」の話をして、オリジナルTシャツを渡したところ妙に気に入ったらしく、当日の演奏ではいつもより多めに「ダ・チーチーチー」をかましていたと話していた。*2 うーん面白い。やってたのは気づいたけど、さすがにいつもより多いかまではわからんわ。

 

しかし何度来ても思うが、雰囲気とか景色は申し分ないのだが、Billboard Liveは本当に音が悪い。割と中央のいい位置にいても関係なく悪い。特に今回みたいなボーカルが無いバンドの場合は顕著に音の悪さが出る。おそらく構造上の問題なので改善の余地は少なそうだが、次回NMSが来日する際も今回の流れでBillboard Liveになりそうな予感。もっと音の良い、かつ、カジュアルに踊れる箱での来日公演を切に願う。

終了後のサイン会用に2015年のUSツアー後、Nashvilleのスタジオで一日で録音されたという新作アルバムを購入。サイン会自体はメンバー全員が横に並んで一人ひとりサインして横に流していくというまさに流れ作業の淡白な感じでほとんどしゃべれなかったが、「これが録音された時のUSツアーいったよ」とだけ取り急ぎエディに伝えたら、少し驚いていた。

またの来日を心よりお待ちしております。

2017/5/15 Cigarettes After Sex@原宿アストロホール

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月曜はUSのドリームポップバンド、Cigarettes After Sexの来日ショウケースを観にアストロホール@原宿へ。月曜夜の原宿は週末の雰囲気とは違ってまた独特の空気である。

開始前についたが、会場は満員で最後方で観ることに。人気すごいな。予定枚数が相当絞られてたんだとは思うけど、ホステスの先行予約は開始30分位で売り切れてたので、さすが安心と信頼のホステスブランドといったとこか。音源もまだ限られてるのにみんな耳が早いっすね。(しかしYoutubeの再生回数が凄いのはわかったけど、RadioheadのMVと回数が並んだとかどうでもいい比較情報で推してくるのはどうなんだ?)

www.youtube.com

自分はYoutubeでも見たことなかったけど、ドリームポップでこのバンド名ときたらまず外さなそうな予感がプンプンしたのでチケット購入。なんでしょうこの感覚。分かる人はいると思う。やっぱバンド名は大事。

 

ドリームポップというジャンル大好物なんですが、きちんと分類しようとすると中々曖昧で、全く知らん人に説明しようとすると結構めんどそうなジャンルだと思う。スロウコア、サッドコアと何が違うと言われると難しいところ。

代表的なところでいうと、コクトーツインズあたりか。近年だとThe XXもドリームポップと分類されてたりする。名曲Angelsのイントロとか完全にドリームポップ。

コクトーツインズを挙げたけど、シューゲイザーとはまた違う。ただ、この手の音楽好きな人はだいたい被ってるので、あまり細かいこと気にしても意味ないかもしれない。*1

 

ほぼ定刻通り演奏開始。ドリームポップファンが求めているものを100点満点で回答してくるような超正統派な演奏。ただただ甘美でずっと浸っていたい。ボーカルの声質も素晴らしい。Sun Kil MoonことMark Kozelekのやってたスロウコアの代表的バンドRed House Paintersを思い出す。

テキサスのEl Paso出身とのことだけど、個人的にはドリームポップっぽくないイメージの土地。単なる偏見だけど、よくこのジャンルでこの完成度のバンドが産まれたよなぁと思いながら観ていた。El Pasoはテキサスの西の端っこ、南はすぐメキシコという国境の街である。*2 調べたらThe Mars VoltaもEl Paso出身らしい。一度行ったことがあるが、田舎町にしてはそこそこ栄えてる。カリフォルニアから道中死にそうなくらい退屈で何もない平坦な道を10時間以上ぶっ続けて運転して、疲れ果てててBBQ食ってすぐ寝た思い出。

 

アンコール含めてトータル45分位の短い演奏時間だったが大満足であった。短時間なのは持ち曲がまだ少ないからなのか?ぶっちゃけこの手のタイプの音楽はどの曲も最終的に似通ってくる傾向があるので、飽きないためには1時間切る位が実はちょうど良いのかもしれない。軽くアルコール入れて、ゆらゆらと音に浸り夢が醒めるまでの最高の一時。

Cigarettes After Sex、全ドリームポップファンにおすすめします。

*1:Mikikiで連載が始まった「黒田隆憲のシューゲイザー講座」が凄い情報量なので興味ある方は是非。これ一通り読めばすぐにシューゲ通を名乗れるレベル。

http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/13917

*2:ちなみに国境を越えた先はシウダー・フアレスという現在でも世界でトップレベルに治安の悪い街がある。一時期は世界一の悪名をはせたらしい。ただEl Paso自体の治安は別に悪くない。

2017/5/7 カーネーション Meteo Parkway@下北沢GARDEN

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GW最終日はカーネーションのワンマンを観に下北沢へ。最近はやけにライブが続く。

カーネーションのライブは3月の西荻ラバーズフェス以来だ。平均年齢高めのファンで埋め尽くされた会場。ほぼ定刻通りにスタート。

今回のワンマンは直枝政広(Vo,G)、大田譲(Ba)に加え、サポートに矢部浩志(Dr)、松江潤(G)、佐藤優介(Key)という体制。当然メンバー紹介の際一番歓声が大きかったのがドラムの矢部浩志。愛されてるなぁ。自分自身は脱退前からの熱心な古参ファンというわけではないので、個人的には矢部さんと言ったらMUSEMENTのイメージのほうが強い。「僕の頭はF-Word feat 安藤裕子」は今でもたまに聴く。

サポートギターの松江潤さんは見た目はかなり若く童顔だが、なんと69年生まれの48歳。信じられないレベルのアンチエイジング

そんなベテラン揃いの中で、唯一の若手はキーボードの佐藤優介。「カメラ=万年筆」の、というよりは、「スカート」のサポートメンバーの、といったほうがしっくり来るかもしれない。

話は飛ぶが、スカートは澤部のソロプロジェクト名という体で、他のメンバーはあくまでサポートという体制でやっている。個人的にはあのバンドメンバーがいてこそのスカートだし、もはや彼ら無しではスカートだと思えないのだが、本人たちの間ではこのあたりどういう具合に話し合われているんだろうか。月光密造の夜のポスターも、他がフルメンバーで写る中、スカートで写っているのは澤部のみ。別にいいんだけど、妙に気になってしまう。

キーボードの佐藤はスカートでのライブの際は基本的に一切しゃべらないけど、今回はMCで直枝さんに話を振られて笑顔で答えてたりしていたので、むしろスカートのときより活き活きしているように見えた。

 

ライブは言うことなしにかっこいい。自分の中では勝手にカーネーションが日本で一番ライブがかっこいいバンドだと思っている。かっこいいバンドはいくらでもいるけど、直枝さんのボーカルが乗ったバンドのかっこよさは唯一無二。男も惚れてしまうかっこよさ。そう、これを観に来たんだ。

途中サポートの松江、佐藤の二人が抜けて3人体制で数曲。演奏前に3人でやる苦労話をした矢先に本当に直枝さんが手を攣って一時中断なんて場面もあったがそれも含めてかっこいい。新曲もいくつか演った。今年アルバム出す予定とのこと。楽しみである。

佐藤優介いわく今回は「攻めの選曲」とのことだけど、EdoRiverも夜の煙突も演らなかったのも含めて攻めってことかな?どちらも聴きたかったけど、新旧の楽曲が混ざりあったセットリストで全体的に満足だった。(個人的には「愛のさざなみ」が聴きたかった!直枝ボーカルのエロかっこよさが最も堪能できる曲の一つだと思う。)

連休最終日の締めくくりとして素晴らしい夜になった。

2017/5/2 第六回 月光密造の夜(スカート、ミツメ、トリプルファイヤー)@東京キネマ倶楽部

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今年のGWは長い人は9連休になるとかあちこちで言われていたが、自分は仕事柄GWは繁忙期にあたり、入社以来、学生時代の友達や他の同期たちが旅行に出かけているポストを恨めしく思いながら出社するという生活を送っているため、当然今年もカレンダー通り1日、2日は出社である。ポジティブに考えると朝の電車は空いてるし、オフィスも静かで、仕事をするには実は結構いい環境のなのかもしれない。そんな2日は16時位からそわそわしだし、やりかけの仕事を投げ出して、スカート、ミツメ、トリプルファイヤーのイベント、第6回「月光密造の夜」を観に鶯谷へ向かう。鶯谷なんて降りるのは何年ぶりだろう。少なくとも帰国してからは初めてだ。

「月光密造の夜」自体も最後に行ったのは渡米前、渋谷のWWWで2013年に観た時以来なので約4年ぶりだ。誰も欠けることもなく3バンドともそれぞれ順調に活躍していて本当に嬉しい限りである。

今回の会場は東京キネマ倶楽部という元キャバレーという箱で、初めて入ったが、昭和の匂いがプンプンして最高の雰囲気だった。個人的に元キャバレーの会場というと歌舞伎町の風林会館を思い出す。

実はスカートを初めて生で観たのは5年前の風林会館でのイベントだった。川本真琴のレコ発イベントで、三輪二郎、住所不定無職、スカートというラインナップで今考えても最高のイベントだった。住所不定無職のユリナが当日盲腸になり、急遽残りの2名で演奏するというアクシデントがあったのでよく覚えている。スカート澤部という名前は川本真琴関連で当時から耳にしていたが、その日のライブを観て一気にファンになってしまった。見た目からは想像できない(失礼)、ポップでロックな楽曲たちを汗だくで歌い上げる姿がカッコよくて、川本真琴ファンとして参加したイベントなのに、物販でスカートの音源を買って、その日以来しばらくヘビロテしていた。

 

さて、仕事を抜けて鶯谷に駆けつけたものの、思いの外早く着いてしまい、開演まで間があったので会場近くの富士そばで腹ごしらえする。開演15分前くらいにそろそろかと向かうと、会場に向かうと道路まで人だかりが出来ていて驚く。そして並んでいる客層がいつものスカートのライブとは若干違う気がするのは気のせいだろうか。包み隠さずストレートに言うと、いつもより若くて可愛い女子率が高い!これがミツメとトリプルファイヤーの効果か。すごい。(勝手なイメージだがミツメ女子は絶対可愛い気がする。)中に入ったら入ったで物販前に行列が。何やらすごいイベントになったなと思いつつ、まだ時間ありそうだったのでとりあえず並ぶ。前の人にきいても、何並びなのかわからないけど並んでいると返されてしまったが、列が進んでみるとどうやら缶バッジのガチャガチャの行列のようだった。各バンドメンバーの顔写真が缶バッジになっているらしい。1回100円。ガチャの補給をする澤部氏(呼び捨てするのもなんか気がひけるので氏をつける)を横目にガチャを回すとミツメのギターの人が当たった。とりあえず回してみたが、いざ手にしてみると使いみちに悩むグッズである。後ろの人が話しぶりからミツメファンっぽかったので献上したところ、代わりにキュートな笑顔の眼鏡の坊主のバッジを貰った。トリプルファイヤーのベースの山本くんだ。ぶっちゃけトリプルファイヤーはVo吉田とGt鳥居しか顔と名前を認識してなかったのだけど、この人絶対いい人だと思う。

守りたい、この笑顔。

バッジも良いのだが、今回の目当ては「密造盤 Deluxe Edition」というそれぞれのバンドのカバーと、そのカバーをオリジナルのボーカルに戻したVer.を収録したCDである。

mitsume.me

こちらは並ばずに普通に買えた。最初みんなCDに並んでるのかと思って焦ったわ。

 

そんなこんなしているうちにで開演。トップバッターはトリプルファイヤー。うすやま氏の回すDJブースがステージ上方の中二階にあり、そこからステージへと続く階段から降りてステージ入りするトリプルファイヤーのメンバーたち。吉田(こちらはなんだか呼び捨てしたくなる)に至っては階段を降りるだけで笑いが起きる。すごい才能である。生で観るのは前回以来だけど相変わらずタイトな演奏でかっこいい。吉田の独特なボーカルもメロディーの一部のようで、後に各バンドがカバーするトリプルファイヤーの楽曲を聴いて再認識するが、やはり彼のボーカルありきの楽曲たちなんだと実感させられる。ミツメの三角定規△のカバー、コレはコレで好きです。

 

2番手のミツメもライブは前回以来。相変わらずかっこいい佇まい。慶應出身みたいだけど、佇まいからもなんかしっくり来る。一方でトリプルファイヤーが早稲田ってのも妙な納得感。不思議なもんである。

(全然関係ないが、最近売り出し中の「空気階段」というお笑いコンビの水川かたまりという宝生舞一色紗英に似ている方も慶應出身だと最近ふと知った。割と前から好きでウォッチしていたのだが、別に隠していたわけでもないみたいだが、普段は一切インテリ感を売りにしてこないので全然知らなかった。こちらも言われてみれば確かにそんな雰囲気ある。ラジオも面白いので皆さんぜひ聴いてください。)

トリプルファイヤーもそうだったが、ミツメも本当に演奏がうまい。タイトなトリプルファイヤーに対して、ミツメはグルーヴィーで心地よい洗練された演奏。川辺君(君付け)のボーカル含めて気持ちよくていつまでも聴いていたくなる。ベースのnakayaanがボーカルを取ったトリプルファイヤーのカバー「次やったら殴る」も、機材トラブルでエフェクターが鳴ってなかったみたいだけど、全然気にならない良い演奏だった。今回のカバーで一番好きかもしれない。

 

トリはスカート。開始前のDJで大貫妙子の「くすりをたくさん」がかかっててテンションが既に上がる。夏を思い出すのはランタンパレードのせいか。そんなテンションで初っ端は返信。最高である。制作中のアルバムからも数曲。ランプトンも聴けてよかった。(イベントタイトルの曲「月光密造の夜」は演らないみたいだ。そういうもんなのか。)

カバーはそれぞれのボーカルも交えて、Discoとスキルアップ。相変わらず吉田は入場だけで笑い取れる。天才。それにしてもスカートのスキルアップ、シマダボーイのパーカッションが本当にいい感じにハマってて良い。

総じて全部それぞれの色があって良いのだけど、各バンドのカバーを聴いた後に澤やんの以下のツイートを読むと、これ以上無いくらいドンピシャで腑に落ちる表現だなぁと実感する。

スカートはまさに正攻法。良くも悪くも。演奏の完成度も高い。ただ、カバーの面白さという意味では個人的にはミツメかなという印象。飛び道具は読んで字のごとく。妙にクセになる。

 

しかし、本当にいいイベントだった。誰かが売れると、きっとこのサイズの箱では難しくなると思うけど、それはそれで良いことか。長く続いて欲しい。

 

帰宅後、早速買った密造盤でもリッピングしようと思ったら当然CDDBにまだ上がってなかったので、どなたかがデータ登録してくれることを信じて一日寝かせたらきちんと反映されてて捗りました。サンキュウ。

(※なお、コミティア120で買ったスカートのCOMITIA99-106も一日置いたらCDDB登録されてた。。ありがてぇ、ありがてぇ。)

2017/4/30 Paul McCartney One on One Japan Tour@東京ドーム

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4月は本当にライブによく行った。4月の締めくくりはポール・マッカトニーの来日公演。もはや説明不要のリビングレジェンド。

なんか最近しょっちゅう日本に来ている印象があるけど、80年に大麻所持で成田で捕まってから、10年後の90年に来日して以降、今回が6回目の来日公演のようだ。

 

  • 1990年@東京
  • 1993年@東京、福岡
  • 2002年@東京、大阪
  • 2013年@東京、大阪、福岡
  • 2014年@東京、大阪(中止)
  • 2015年@東京、大阪
  • 2017年@東京

 

並べてみると2010年台以降の来日頻度が急速に上がっているので、しょっちゅう来ている印象があるんだろう。14年の公演が体調不良で中止になったり、武道館のチケット代が10万で色々と話題になったことも記憶に残ってる要因かもしれない。

自分は2014年、アメリカでOut Thereツアーに参加したので、ポールを生で見るのは今回二回目。2014年のライブは凄まじかった。アメリカで大御所から新人まで割と幅広くライブに行ったけど、アメリカ時代のベスト3を選んでと聞かれたら間違いなくポールが入ってくるレベル。誤解を恐れずに言うと、大御所が演るライブは往々にしてクオリティ二の次の集金ライブで、声が聞ければいいという往年のファン向けの内容だったりするイメージがあったけど、当時御年72歳のポールのクオリティは現役感バリバリの素晴らしいとしか形容できないステージで、正直死ぬ前に一度見れれば良いやという気持ちでチケットを買ったのだが、終わった頃には「次も絶対行きます、行かせてください!」という感じになってしまっていた。

ちなみに日本では来日のたびに東京で数回公演しているが、アメリカは広いので、毎回都市は固定されず、様々な都市をツアーのたびに変えている。なので都市によっては今回が40年ぶりとか50年ぶりとかも当然あるので、毎回複数公演観れる東京のファンは世界でも相当ラッキーな環境にいると思ったほうが良いと思う。

 

今回は来日最終日の東京ドーム公演に参加。東京ドームに入るのも実は今回初めてだった。もう何も驚かない。人混み&大きな箱嫌いにも程がある。野球だってアンチ巨人だから東京ドームなんて行く機会なかったし、(別に野球嫌いでもなく、他の球場はいったことある。)東京ドームでコンサートやるアーティストって、ジャニーズやらEXILEやらというイメージがあるので、nestをホームとしていた自分にはまず接点がなかったのだ。

開場前、東京ドームシティで時間つぶしがてら都市型ジェットコースターの最高峰、サンダードルフィンをキメた。何度乗っても発車地点直後の垂直降下はヒュンとなり最高だ。

開場後もドーム前は異常な人だかり。やはりすごい集客力。ドームの入り口で気圧変化を感じる。ああ、東京ドーム経験者はみんなこういう経験をして来ているのかと東京ドーム童貞ならではのリアクションをしてしまった。

演奏の内容自体は3年前の公演とセットリスト、サポートメンバー含めそう大きく変わらず、相変わらずの現役感。素晴らしかった。何より演奏中の姿勢の良さがすごい。猫背気味の自分よりよっぽどいい姿勢だと思う。

英語にカタコトの日本語を織り交ぜつつ、同時通訳された日本語がステージ両サイドの巨大スクリーンに映し出されるシステム。来日公演は結構前からこのシステムらしい。めちゃくちゃ聞き取りやすい英語を話しているが、ポールの言ったジョークに対して、一呼吸置いてスクリーンに翻訳が映し出されてからドワッと観客が笑い出すという遅延感が逆に面白かった。それにしてもなんど見てもすごいスクリーンだ。遠くから見ても全く粗さを感じない。いくらするんだこれ。

終盤のHey Judeで事前に配られた青いサイリウムをみんなで一斉に降る演出。この人数が一斉に降るとやはり壮観だ。ステージから見たらどう見えるんだろうか。ネモフィラ畑みたいに見えるだろうか。茨城では今の時期が満開だそうでいつか見に行こうと余計なことを考えてしまった。

 

終演後はドームから出る際に、また気圧による強風でびっくりしつつ、人混みを避けて駅をスルーして15分位歩いた先の飲み屋へ。結構ドームから離れているのに、隣の席にポールのTシャツ着たご婦人方が後からやってきた。長居するつもり無かったのに、隣であまりに楽しそうに感想を喋りあっているので、流れで加わって世代を超えて大いに語り合ってしまった。今回は全日程参加したらしい。気合入ってる。お若いのによく知ってるわねぇなんて言われながら、もう少し話してても良かったが、翌日は普通に仕事だったので終電で帰宅。今後もポールの東京ドーム公演に行ってれば、きっとまた同じ飲み屋で会えるでしょう。お元気で。

 

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2017/4/26 The Wisely Brothers HEMMING UP! TOUR@o-nest

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The Wisely Brothersのワンマンに行った。ツアーファイナルとのこと。nestに行くのは何年ぶりだろうか。10年前の2007年〜2009年あたりは一時期毎週のように通ってた時期があったので、国内で通算して一番行ったライブハウスはどこかと言われると、おそらく現存するライブハウスではnestだと思う。それくらい通ってた。いつしか一階のコンビニはam/pmからローソンに変わり、nest自体もTSUTAYA系列に変わってたものの、エレベーターを登り、久々に中に足を踏み入れると良くも悪くもnestはnestのままで謎の地元感というかホーム感というか、すぐにそんな感覚が湧いてきた。

 

The Wisely Brothersを知ったきっかけは本当に偶然だった。深夜にまどろみながらラジオをダラダラ聞いていたら、「〜いずりーぶらざーずの、○○をお聴き下さい。」と曲紹介がふと流れてきて、The Isley Brothersファンとして思わず、「読み方はアイズリーじゃなくてアイズレーだからそこんとこ間違えるなよ」と反応してしまい、記憶に無い曲名だなと身構えていたら、黒さをまるで感じないイントロからの女性ボーカル。でもこういう感じのバンドめっちゃ好きだわ。といういことで曲途中でググってワイズリーに辿り着いたのでした。ガールズスリーピースバンド。最高。

調べたところこのアイズレーファンの心をくすぐるバンド名はボーカルの真舘晴子のお父さんがつけたらしい。曲調は全く黒くないし、そしてガールズバンドなのにブラザーズ。でもこのバンド名じゃなかったらきっとちゃんと調べてなかったと思うので、結果的にこのネーミングのおかげで出会えたようなもんだ。お父さん、失礼ながら全く存じ上げませんでしたが、職業はデザイナーとのことで、ナイスセンスなのも納得です。

 

さて、今回は3/29にリリースされた「HEMMING EP」のリリースツアー、EPのプロデュースはGreat3の片寄明人。またいい人に目をつけられたもんだと思った。片寄明人さん本人とは全く面識ないし、ライブに通う熱心なファンというわけではないが、個人的にGreat3はもちろん、奥さんのChocolatも好きでアメリカにもCD持っていって車でずっと流してたし、なんなら白根さんも、Curly Giraffeだって好きだし、もちろんジョン・マッケンタイアだって大好きだ。TBSラジオのマイ愛聴番組「たまむすび」のテーマソングがChocolat&Akitoの曲ってのにも不思議な縁を感じる。そういえばnestで二人のライブ観たこともある。

全くの余談だけど、第88回アカデミー脚色賞取った映画「マネーショート」に何故かChocolat&Akitoの曲が使われていて、エンドクレジットで名前見つけてびっくりした記憶がある。見終わった後見つけた本人のFBによると、どうやら本人たちも何に使われていたのか知らなかったらしい。

www.facebook.com

 

話を戻す。ライブ前にHemming EPを聴いた第一印象は「音がいいなぁ」という感想だった。EPとしてきれいにまとまってるし、個々の曲の出来も良い。ただ、個人的に初期のローファイな音が好みだったので、成長を目にするのは嬉しい半面、きちんとしたプロデューサーがついて、きちんとした環境で録音をすることで、いい意味での「粗さ」がこのまま消えちゃったら嫌だなぁと思ったのも正直なところ。ライブだとどうなってるんだろうか。

 

ところで、ツアータイトルにもなってるHemming Upというのは英語で「裾上げ」の意味だ。自分はアメリカで暮らすまでこんな英単語知らなかったし、日本で使うことはまずない単語だろう。ただ、実のところアメリカ生活中でも覚えている限り二、三回くらいしか使ってないと思う。その辺のモールで売ってるパンツは、あらかじめいろんなウェストと長さの組み合わせが用意してあって、サイズの合ったものを選べというスタイルなので、まずわざわざ裾上げする機会が少ない。もちろんちゃんとしたジーンズ専門店とか行けば裾上げしてくれるけど、そもそもジーンズの本場のくせにちゃんとしたジーンズ売ってる店はそんなに多くないし、あったとしてもまともなジーンズ屋やセレクトショップにおいてあるジーンズはほとんど日本製なので全然買う気が起きないので、Hemming Upを使う場面が殆どなかったのだ。日本のジーンズはいつの間にか本場を随分と追い抜いてしまっていたのだ。ことジーンズに関しては間違いなく世界で一番だと思う。

 

音源に「裾上げ」なんてタイトルつけてなんのこっちゃと最初思ったが、EPの二曲目の「アニエスベー」の中の

久しぶりに買ったアニエスベー

あなたが裾上げしてくれる

というフレーズでこの曲がタイトルの元になっているんだろうとすぐ気づいた。

(当日の曲紹介で本人もそう言っていたので間違いない。)

ただ、最初にこの曲聴いたときは裾上げはともかく、この年代の若者がまだアニエスベーなんて買うのか?と思ってしまった。最近の流行りは全くわからないけど、自分の記憶だとアニエスベーが流行ったのって15年以上前だった気がする。アニエスベーと聴いてまず思い浮かぶのは小籔とレイザーラモンでやっていた「ビッグポルノ」というお笑い音楽ユニットのSunrise SunsetというNew Editionの名曲「Mr. Telephone Man」のトラックに乗せてひたすらペニス、ペニスと繰り返すド下ネタソングの歌詞である。

西沢学園にいるオニキス

最近人気無いブランド、アニエスベー

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ビッグポルノが2004年時点で「最近人気無いブランド」と歌ったアニエスベーを、2017年に20代女子に久々に買ったと歌われると複雑な気持ちになる。定番としてまだそこそこ人気あるのかな。どちらにせよ自分はどうもあのトカゲのロゴが嫌いで過去に一枚くらいしか買ったこと無い。

 

また話がそれた。

ライブでの3人が奏でる生音に乗せた楽曲たちは、CD音源のリッチな音とはまた違ってとてもいい。音源聞いた際の勝手な心配もライブが始まったら全部杞憂に終わった。やはりガールズスリーピースはライブに限る。MCでの3人の掛け合いも最高である。みんな本当に楽しそうに演奏しているのが伝わってくる。

 

特にアンコール前の最後で演ったサウザンド・ビネガーが本当に素晴らしくて、震えてしまった。

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なんていい曲なんだ。音源で聴いたときももちろんいい曲だと思ったし、今回のEPの中でも圧倒的なキラーチューンだと思ったけど、生で聞くと迫力がまるで違う。他の曲の演奏もよかったけど、この曲だけ声のボリューム少し上げたのかなって思うくらい演奏にギア入った感じがした。聴いてて少し涙出そうになった。

基本的に曲は全部ボーカル真舘さんが書いてるのかと勝手に思ってたけど、サウザンド・ビネガーはドラムの渡辺朱音さんの作詞作曲のようで、改めてすごいバンドだなと感じた。しかも高校生の時に17歳で初めて作った曲とのこと。そう思うと「センスなし子」なんて若干あざとさを感じるフレーズもしっくりくる。しかしすごい曲書く高校生だな。

 

あと、どうでもいいけど、ボーカルの真舘さんが素晴らしいなで肩の持ち主だった。こんなブログ名つけるくらいなので当然私も相当のなで肩である。(好きな服はパーカー。肩にボリュームが出るから。そして嫌いなバッグはトートバッグ。急斜面に持ち手をかけるなんて無理!)殆どの人にはどうでもいいと思うが、真舘さんはそんな私も見とれてしまうほどのなで肩だった。サウザンド・ビネガーの感動もさることながら、なで肩アーティストとして今後も応援していこうと思った。

 

 終演後、ふと思い出して10年前にnest帰りによく寄っていたラーメン屋・櫻坂に立ち寄って帰った。渋谷で10年変わらず生き残ってるんだから大したもんだ。味は昔のほうが美味しかった気がするけど、きっと気のせいだろう。