Nadegata

なで肩です。

2017/4/26 The Wisely Brothers HEMMING UP! TOUR@o-nest

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The Wisely Brothersのワンマンに行った。ツアーファイナルとのこと。nestに行くのは何年ぶりだろうか。10年前の2007年〜2009年あたりは一時期毎週のように通ってた時期があったので、国内で通算して一番行ったライブハウスはどこかと言われると、おそらく現存するライブハウスではnestだと思う。それくらい通ってた。いつしか一階のコンビニはam/pmからローソンに変わり、nest自体もTSUTAYA系列に変わってたものの、エレベーターを登り、久々に中に足を踏み入れると良くも悪くもnestはnestのままで謎の地元感というかホーム感というか、すぐにそんな感覚が湧いてきた。

 

The Wisely Brothersを知ったきっかけは本当に偶然だった。深夜にまどろみながらラジオをダラダラ聞いていたら、「〜いずりーぶらざーずの、○○をお聴き下さい。」と曲紹介がふと流れてきて、The Isley Brothersファンとして思わず、「読み方はアイズリーじゃなくてアイズレーだからそこんとこ間違えるなよ」と反応してしまい、記憶に無い曲名だなと身構えていたら、黒さをまるで感じないイントロからの女性ボーカル。でもこういう感じのバンドめっちゃ好きだわ。といういことで曲途中でググってワイズリーに辿り着いたのでした。ガールズスリーピースバンド。最高。

調べたところこのアイズレーファンの心をくすぐるバンド名はボーカルの真舘晴子のお父さんがつけたらしい。曲調は全く黒くないし、そしてガールズバンドなのにブラザーズ。でもこのバンド名じゃなかったらきっとちゃんと調べてなかったと思うので、結果的にこのネーミングのおかげで出会えたようなもんだ。お父さん、失礼ながら全く存じ上げませんでしたが、職業はデザイナーとのことで、ナイスセンスなのも納得です。

 

さて、今回は3/29にリリースされた「HEMMING EP」のリリースツアー、EPのプロデュースはGreat3の片寄明人。またいい人に目をつけられたもんだと思った。片寄明人さん本人とは全く面識ないし、ライブに通う熱心なファンというわけではないが、個人的にGreat3はもちろん、奥さんのChocolatも好きでアメリカにもCD持っていって車でずっと流してたし、なんなら白根さんも、Curly Giraffeだって好きだし、もちろんジョン・マッケンタイアだって大好きだ。TBSラジオのマイ愛聴番組「たまむすび」のテーマソングがChocolat&Akitoの曲ってのにも不思議な縁を感じる。そういえばnestで二人のライブ観たこともある。

全くの余談だけど、第88回アカデミー脚色賞取った映画「マネーショート」に何故かChocolat&Akitoの曲が使われていて、エンドクレジットで名前見つけてびっくりした記憶がある。見終わった後見つけた本人のFBによると、どうやら本人たちも何に使われていたのか知らなかったらしい。

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話を戻す。ライブ前にHemming EPを聴いた第一印象は「音がいいなぁ」という感想だった。EPとしてきれいにまとまってるし、個々の曲の出来も良い。ただ、個人的に初期のローファイな音が好みだったので、成長を目にするのは嬉しい半面、きちんとしたプロデューサーがついて、きちんとした環境で録音をすることで、いい意味での「粗さ」がこのまま消えちゃったら嫌だなぁと思ったのも正直なところ。ライブだとどうなってるんだろうか。

 

ところで、ツアータイトルにもなってるHemming Upというのは英語で「裾上げ」の意味だ。自分はアメリカで暮らすまでこんな英単語知らなかったし、日本で使うことはまずない単語だろう。ただ、実のところアメリカ生活中でも覚えている限り二、三回くらいしか使ってないと思う。その辺のモールで売ってるパンツは、あらかじめいろんなウェストと長さの組み合わせが用意してあって、サイズの合ったものを選べというスタイルなので、まずわざわざ裾上げする機会が少ない。もちろんちゃんとしたジーンズ専門店とか行けば裾上げしてくれるけど、そもそもジーンズの本場のくせにちゃんとしたジーンズ売ってる店はそんなに多くないし、あったとしてもまともなジーンズ屋やセレクトショップにおいてあるジーンズはほとんど日本製なので全然買う気が起きないので、Hemming Upを使う場面が殆どなかったのだ。日本のジーンズはいつの間にか本場を随分と追い抜いてしまっていたのだ。ことジーンズに関しては間違いなく世界で一番だと思う。

 

音源に「裾上げ」なんてタイトルつけてなんのこっちゃと最初思ったが、EPの二曲目の「アニエスベー」の中の

久しぶりに買ったアニエスベー

あなたが裾上げしてくれる

というフレーズでこの曲がタイトルの元になっているんだろうとすぐ気づいた。

(当日の曲紹介で本人もそう言っていたので間違いない。)

ただ、最初にこの曲聴いたときは裾上げはともかく、この年代の若者がまだアニエスベーなんて買うのか?と思ってしまった。最近の流行りは全くわからないけど、自分の記憶だとアニエスベーが流行ったのって15年以上前だった気がする。アニエスベーと聴いてまず思い浮かぶのは小籔とレイザーラモンでやっていた「ビッグポルノ」というお笑い音楽ユニットのSunrise SunsetというNew Editionの名曲「Mr. Telephone Man」のトラックに乗せてひたすらペニス、ペニスと繰り返すド下ネタソングの歌詞である。

西沢学園にいるオニキス

最近人気無いブランド、アニエスベー

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ビッグポルノが2004年時点で「最近人気無いブランド」と歌ったアニエスベーを、2017年に20代女子に久々に買ったと歌われると複雑な気持ちになる。定番としてまだそこそこ人気あるのかな。どちらにせよ自分はどうもあのトカゲのロゴが嫌いで過去に一枚くらいしか買ったこと無い。

 

また話がそれた。

ライブでの3人が奏でる生音に乗せた楽曲たちは、CD音源のリッチな音とはまた違ってとてもいい。音源聞いた際の勝手な心配もライブが始まったら全部杞憂に終わった。やはりガールズスリーピースはライブに限る。MCでの3人の掛け合いも最高である。みんな本当に楽しそうに演奏しているのが伝わってくる。

 

特にアンコール前の最後で演ったサウザンド・ビネガーが本当に素晴らしくて、震えてしまった。

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なんていい曲なんだ。音源で聴いたときももちろんいい曲だと思ったし、今回のEPの中でも圧倒的なキラーチューンだと思ったけど、生で聞くと迫力がまるで違う。他の曲の演奏もよかったけど、この曲だけ声のボリューム少し上げたのかなって思うくらい演奏にギア入った感じがした。聴いてて少し涙出そうになった。

基本的に曲は全部ボーカル真舘さんが書いてるのかと勝手に思ってたけど、サウザンド・ビネガーはドラムの渡辺朱音さんの作詞作曲のようで、改めてすごいバンドだなと感じた。しかも高校生の時に17歳で初めて作った曲とのこと。そう思うと「センスなし子」なんて若干あざとさを感じるフレーズもしっくりくる。しかしすごい曲書く高校生だな。

 

あと、どうでもいいけど、ボーカルの真舘さんが素晴らしいなで肩の持ち主だった。こんなブログ名つけるくらいなので当然私も相当のなで肩である。(好きな服はパーカー。肩にボリュームが出るから。そして嫌いなバッグはトートバッグ。急斜面に持ち手をかけるなんて無理!)殆どの人にはどうでもいいと思うが、真舘さんはそんな私も見とれてしまうほどのなで肩だった。サウザンド・ビネガーの感動もさることながら、なで肩アーティストとして今後も応援していこうと思った。

 

 終演後、ふと思い出して10年前にnest帰りによく寄っていたラーメン屋・櫻坂に立ち寄って帰った。渋谷で10年変わらず生き残ってるんだから大したもんだ。味は昔のほうが美味しかった気がするけど、きっと気のせいだろう。