Nadegata

なで肩です。

2017/4/22 miu mau 記憶とヒロイン Release Party@下北沢THREE

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ここ最近はライブ頻度が高くなっている。単純に行きたいライブの時期が被っただけなんだけど、仕事の忙しさと比例してライブ頻度が上がる傾向があるのは、無意識に仕事のストレスを発散したい本能が働いているのかもしれない。

仕事中、日中は基本的に音楽を聴けない環境なのだが、22時過ぎて、周りの人がだいぶ減りだし、電話も鳴らなくなったあたりからイヤホンをつけて音楽を聴きながら集中して作業をすることが多い。先週も遅くにSoundcloudを流しながら残業していたところ、SaToAという女性スリーピースバンドの曲があまりにも良くて、思わず仕事中断してアーティスト確認してしまった。昔名前はちらっと聞いたことあったけど、しっかり曲聴いたのは初めてだった。 

 

 

近々ライブやるかなと思って調べたら、なんと週末に下北のイベントに出るらしい。

イベント自体は福岡の女性スリーピースバンドのmiu mauの新譜のリリースイベントとのこと。こちらもちゃんと聴いたことなかったのでBand campなんかで少し聴いてみたらシンセがきいててSaToAとはまた違うけどこちらもなかなか好みの感じだ。

 

 

そもそも自分は女性スリーピースバンドというだけで割と無条件で好きになる傾向がある人間なのでどちらもすぐにコロッと行ってしまう。(ビジュアル的な要素は抜きにして単純に構成として好き。)SaToAもmiu mauも女性スリーピースということで行かない理由はゼロ。幸い週末の夜は空いてたので迷わずチケット予約した。

渋谷で用事を済ませたら半端な時間。雨でカフェも混んでいて時間潰すのもめんどくさいので、まっすぐ会場に向かったらまだほとんど人は入ってなかった。THREEに来るのはいつ以来だろうか。入り口がわかりづらいけど、迷わず来れた。Foursquareでチェックインしたら「2013年5月以来のチェックインです!」と出てきたので、4年ぶりだ。データ遡ってあさってみたところ、4年前THREEで何を観たか律儀にメモしてあった。昔はしっかりした性格だったんだろう。住所不定無職とスカートが出たイベントのようだった。おそらく住所不定無職のリリースのイベントだった気がする。住所不定無職も女性?スリーピースだったけど、そのときは新メンバーが加入して4人体制になっていた記憶が。最近は住所不定無職では活動しておらず、ヨーコ抜きのメンバー+αでMagic, Drums & Loveというバンドとして活動しているらしい。何があったのか知らないけど、路線変えたくなったのかな。前に比べたら覚えづらいバンド名だ。今後どこかでライブ聴くことがあれば。

スカートは当時と路線は変わらず、じわじわと売れてきていて嬉しい。Mステ出演、「山田孝之カンヌ国際映画祭」のEDや映画「PARKS」出演とか話題にキリがない。1月にWWWでのワンマンに行った時、ワンマンでもガッツリ埋まっていてすごいなぁと素直に思った。そもそも4,5年前の東京インディー界隈で演ってたバンドが、解散することなくコンスタントに作品出して生き残っているというだけでもすごいことなんだと思う。当時スカートとよく一緒にライブ演ってたトリプルファイヤーの吉田がタモリ倶楽部にライムスター宇多丸と一緒に出てきた時はびっくりした。すごいキャスティングするんだな。そう考えるとスカート澤部もどうみてもタモリ倶楽部向きのキャラクター。実現すればタモリと再共演か。楽しみである。

natalie.mu

 

また話がそれた。THREEに入ったら外人がDJ回してた。ポスターにあったIan Martinって人。自分の本も売ってた。Amazonでちらっとみてみたら東京のアンダーグラウンドシーンについて書いた本のようで面白そうだったけど、英語で読むのはちょっとしんどいので買わず。しかし面白いところに目をつける外人もいるもんだ。

Quit Your Band! Musical Notes from the Japanese Underground

Quit Your Band! Musical Notes from the Japanese Underground

 

彼伝いの客だと思うんだけど、最終的に会場の客の3,4割位が外人だったと思う。最近の下北は随分と国際的だなと思ったけど、このライブ主催してるのもIanとのことだったので、多分いつもこういう客層というわけでもないんだろう。自分も似たようなアメリカの小規模ライブハウスに日々通いつめてたけど、日本人なんて当然一人だったし、ここまで異国のライブシーンに入り込んでいるってやっぱすごい。彼らは日本流のライブハウスでの振る舞い方とかをきちんとわきまえてて、ただ友達を観に来ただけとう感じではなく、ノリも悪くないし、変に馬鹿騒ぎするわけでもなく、純粋に日本のインディーシーンが好きで観に来ている感じがして非常に好感を持てる方々でした。MCでも反応していたから日本語ある程度できる方々なのかな。たぶん。

まだ客が入りきってないけど、そうこうしているうちに一組目が始まった。LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTSというバンド。ここ数年東京のインディーシーンから離れていたので知らなかったのでどんな若手バンドが出てくるんだろうと思っていたら、結構しっかりとした演奏する方々だった。調べてみたら元マヒルノの方とのことで納得。ちょっとnhhmbaseっぽさもあると感じたけど、そこは&Records繋がりなのかな?そういえば残念ながら仕事で行けなかったけど、元nhhmbaseのマモルのやっているバンドのライブが金曜にもあったらしい。共演はスカートと残念ながら解散した元group_inouのimai。nhhmbaseといい、group_inouといい、10年前のnest周辺でバリバリ演ってた人たち。まだあの界隈の方々が元気でやっているのを知って懐かしく、嬉しくなった。

&Records繋がりで言うと、途中YOMOYAっぽい曲があった。イメージダメージってフレーズ聞くまでYOMOYAの名前なんてすっかり忘れてた。もう解散してるみたいだけど、いいバンドだった。懐かしい。

 

二組目はJEBIOTTOというニューウェーブっぽい80'sシンセサウンドの面白いバンドだった。こちらも恥ずかしながら初見。めちゃかっこいい。MCで博多うどんと讃岐うどんの話ししてて、自分も博多うどんLOVERなのでめっちゃ食いたくなった。

数年前福岡に行った際、とある博多のラッパーと飲み、その後におすすめのラーメン屋を尋ねた際に、俺らは普段はラーメンはあまり食わんで、うどんのほうがよく食うよと教えてもらい、実際に食べてみたときの衝撃は今でも忘れない。うまいもんがひしめく博多の中で全くノーマークだった。コシのないうどん。もっと東京でも食べられる場所が増えて欲しい。カモン、ウエスト。

 

三組目はお目当てのSaToA。ガールズスリーピースかくあるべきという感じ。MCの喋り方とかまだカチッとハマりきってない立ち居振る舞いとかローファイサウンドとか全部含めて最高。英語歌詞の曲も結構あるみたい。日本人の女の子の歌う英語の歌詞の曲ってなんか好きだ。変な話、ネイティブっぽさが少ない方が個人的によい。

 

四組目は convex level。86年結成の関西のインディーシーンの重鎮らしい。名前は聞いたことあったけど、ライブは初めて。結成31年目なのかな?メンバー全員67年生まれなので、50歳か。かっこよすぎる。仕事でこの年齢の人達とやり取りすることなんていくらでもあるけど、こんなかっこいい50歳なかなかいない。自分の場合、年齢が高いミュージシャンとかお笑い芸人を見ると、普段どうやって生活してるかとか、家族はどうしてるんだとか目の前のパフォーマンスと関係ない部分がついつい気になってしまうんだけど、彼らの演奏みてるとそんなこと関係なしに素直に聴き込んでしまう。後輩バンドたちは彼らを見て、正直素直に「こうなりたい」と思うには相当勇気のいることだろう。ただ、インディーシーンでも続けていけるという偉大な先行事例としてリスペクトされてるんだと思う。自分の出番を終えたルロウズやJEBIOTTOのメンバーがノリノリでステージに見入っているのを横目にそんなことを思った。

 

最後はmiu mau。トリだけあってやっぱりしっかりとしている。全員白のステージ衣装で、やっぱ3人の衣装の色とかテーマが統一されてたりするだけでインディーの中ではすごいきちんとしてる感出るよなぁと思う。どちらが良いってわけではないけど、インディーシーンは私服で出るバンドが多いので、良い意味で目立つよね。こちらもJEBIOTTOと同じくシンセ、ギター、ドラムという構成だけど、音楽の方向性はまた違っていておもしろい。隣りにいた外人も「スバラシイ・・・」と呟いていた。MCで、偶然今日の出演バンド全組が偶然スリーピースバンドで、さらに会場もTHREEという奇跡みたいな組み合わせになったと言ってたけど、意図してなかったんだ。すごい。メンバーが香川と福岡で分かれて活動してるらしいので、東京で見れるのは結構ラッキーだったのかな。素晴らしい演奏だった。

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しかし5組も観たのに全く疲れず。全バンドが素晴らしいって本当にいいイベントだ。久々にこの界隈に出入りしたけど、客の年齢層はそんなに若くなくて、なんとなく自分も居心地良かった。自分も10代後半の頃ライブハウスに入り浸ってた頃は、年食ってきたらこういうライブには行かなくなってもっと落ち着いた着席して聴くようなライブでばかり行くようになってるんだろうなぁと思っていたが、実際に年を取ったら、半分は正解だけど、半分以上はまだまだキャパ1000人以下のスタンディングだ。やっぱりこういうライブに行くのはいくつになってもいいものだと思った夜だった。物販でSaToAの音源を買って帰った。