Nadegata

なで肩です。

2017/4/15 Norah Jones@日本武道館

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Corrine Bailey Raeに引き続きまたしてもライブ。こんなに間があかないのは久しぶりだ。しかもなんとなくリスナーが被ってそうなアーティストが続く。完全に見逃してたのだがEsperanza Spaldingも先月Blue Noteに来てたみたいで、まぁこの手の音楽が好きな人にとっては随分と嬉しく忙しい春になったんじゃないでしょうか。

Norah JonesのチケットはUDOの先行で去年のうちから4/14のチケットを取っていた。しかも何を血迷ったか誰にも相談もせず、友人がきっと行くだろうと仮定してS席2枚を購入。昨年末にその想定していた友人と飲んだ際に話を振ってみたら友人は友人でS席1枚を先行で予約していた。ある意味で予想通りだったので思わず笑ってしまったが、チケットは一枚浮いてしまった。困ったなぁと思いつつ、まだだいぶ先なのでその頃には誰かしら見つかるだろうと楽観的に構えていたらあっという間に年度末。そして当然のようにライブ予定日に入る仕事。やはり繁忙期の平日はリスキーだった。悲しいけどサラリーマンとしては仕事優先である。しかたなくチケットキャンプで貰い手を探す。幸いアリーナ席ではないもののステージ正面のかなりの良席だったので、発券手数料分なんかを上乗せした値段にしてもすぐに貰い手が見つかった。もともと儲けを出すつもりなんてなかったけど、売り手の手数料やらシステム利用料とか、売上金を引き出すのにかかる手数料など諸々が胴元に掠め取られて、結局のところは赤字である。でも捨てるよりは全然マシなので行きたい人に譲れて良かったと考えよう。

最近は色々とチケットの転売について盛んに議論されているが、根本的に悪いのは転売屋なわけで、個人的には純粋に仕事なんかで行けなくなったチケットがこういう形で捌ける仕組みは何かしらあっても良いと思うし、手数料は高いが実際に助かってるのも悔しいけど事実。チケキャンなんてなかったその昔はmixiのコミュニティでファン同士でチケットほぼ定価でアングラに譲り合っていたけど、今現在はコミュニティ覗いても誰も人なんていない。(そもそもログインIDすら覚えていない人が多いのではないだろうか。)そんでもってチケットキャンプを運営してるのがmixiというのもなんとも皮肉な話である。余談だがアメリカではチケットのリセールサイトは当たり前にあって、有名どこだとebayに買収されたStubHubなんかは知らない人はいないくらいメジャーなサービスになっている。自分もたまに利用していた。

仕事だと割り切っていたものの、日が近づいてくうちにどうも諦めきれなくなり、ふとチケキャンを覗いてみるとちょうど自分と同じように急な出張で行けなくなった人が追加公演の4/15のチケットを売り出していた。アリーナ前列の嘘みたいな良席だったけど、直前だったのでほぼ定価。胴元に取られる手数料考えたら確実に相手方は赤字だ。予定もなかったので何かの縁かと思い購入した。公演二日前の話である。チケットが届いたのは当日の昼前。本当にラストミニッツだ。

そういえば、赤坂BLITZに引き続き実は武道館も中にはいるのは初めてだ。首都圏で生まれ育って、そこそこライブ好きを自認していたのにこの有様。お恥ずかしい限りである。いや、東京にVenueが多すぎるだけなんだ。というか武道館はそもそもライブハウスじゃないだろう。大きな箱アレルギーをこじらせてこの歳まで来てしまっただけのこと。そんな自分もついに武道館童貞喪失である。その昔、学生時代の彼女の学校の入学式だったか卒業式だったかが武道館で行われていて、武道館前あたりまで迎えに行った記憶はあるが、確か中には入ってない。中に挿れないと喪失とは言わないのです。

いざ中に入ってみると思ってたよりも狭い。アメリカのカレッジのアリーナとかでやるライブのほうがよっぽどでかいなこれは。前座はバックバンドのメンバーがやっているバンドのようだ。オルガンがファンクっぽくて音自体はきらいじゃないんだけど、前座あるなんて想定してなかったし、妙に冗長で前日の疲れから少し寝てしまった。開始から30分位経ったあたりだろうか、曲の途中で隣りの席に座っていたおばさんが「これってノラ・ジョーンズですよね?」と話しかけてきた。前座だと知らず、ずっと本編だと思って観ていたが、いつまでたっても自分の知っている曲が流れないので痺れを切らしたんだろう。ステージに女性がいない時点でもうちょい早く気付けよと思ったが、そこは向こうも恥を忍んで聞いてきただろうから小声で「前座ですよ」と教えてあげた。そしたら「あとどれくらいかかるんですか?」なんて聞き返してくる。知らんわ。

(でも、自分も2月に行ったJames Blakeの東京公演で似たような勘違いをしたので全くいばれる立場ではないのだ。あの時は国際フォーラムだったか。セットリスト見るために前日の大阪公演のTweetを検索していたら、前座のD.A.Nが良かったという情報がちらほら。てっきり東京公演も前座あるもんだと思って構えてたので、前座なしでいきなり本編始まったにもかかわらず5分くらいイケてる前座だと思って観ていた。暗くて遠くてよく見えなかったんだ。)

そうこうしないうちに前座が終わり休憩20分挟んで本編。正直Norah Jonesに関してはここしばらくあまりパッとしないアルバムが続いた印象があったが、新譜はJazz回帰していて割りと好みだった。今回ライブに行こうと思った理由の一つでもある。

ライブ自体は新譜の曲多めで全般通して素晴らしかったが、自席とは反対側の位置にピアノが置いてあり、ピアノ曲の際は背中ばっかり見つめていた気がする。アンコールでもずっとステージの反対側の端で演奏していたのでもうちょい真ん中来てほしかったなあ。愚痴っぽくてなんですが、リクエストもされてないのに客が曲の合間に「○○プリーズ!」とかやってほしい曲を叫ぶのはみっともないので辞めて欲しいものである。しかもそのうち一回は曲名すら間違えてたし。セットリストはアンコール含めてかっちりと事前に決まってるんです。

ちなみに、ここ数年で個人的に一番よく聴いた彼女の曲である、WilcoのJesus, Etc.のカバーは全く期待もしてなかったけど今回のツアーでは当然やらず。未だにたまに聴いてます。本当に良い曲。


JESUS ETC ~ NORAH JONES live at Ancienne Belgium 2010

 

武道館のアリーナのパイプ椅子はどうやら何時間も座ることを前提にしていないらしい。スタンディングのほうがよっぽど楽に感じるレベルである。ライブ後はさっと立ち上がり、九段下の駅に吸い込まれていく人ゴミを横目に神保町まで歩き、エチオピアでチキンカレーを食べて少し汗ばみながら帰宅した。

2017/4/11 Corinne Bailey Rae@赤坂BLITZ

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先週になるが4/11にCorinne Bailey Raeの来日公演@赤坂Blitzに行った。

 

春は特に仕事が繁忙期でなかなか平日に時間が取れないのだが、どういったわけかそんな時期に限って行きたいライブが重なるものである。(逆に仕事が暇な時期はライブもなぜか少ない。)仕事を早めに切り上げて赤坂に向かう。

赤坂は自分の行動範囲のどこからも妙にアクセスしづらい地で、むかーし付き合っていた彼女に高い焼肉をおごった記憶と、バナナムーンリスナーにはお馴染みの「かおたんらーめん」に知り合いに呼ばれて合流する時くらいしか縁が無かったのだが、ここ半年くらいで、ちょっとした用事で赤坂に出向くことが増えて少しだけ土地勘がついてきた。

意外と食事処も多いし、美味しい洋菓子屋なんかも充実しており(しろたえやリベルターブルなんていつ行っても混んでる)、しょぼいけどビックカメラもあるのでそれなりに時間は潰せる場所なんだと思えてきている。TBSとマクドナルドの間にあるボロ屋敷はずっと気になっているけど、今に始まった話じゃない。

余談が長くなったが、話を戻すと赤坂BLITZCorinne Bailey Raeのライブである。赤坂サカスがあのへんにあって、ビッグハットがあのへん、ACTシアターがあそこで、BLITZはあのへんだなぁと頭のなかで道順をたどる。うん、目をつぶっても行ける。ただ、どんなライブハウスだったかさっぱり記憶にない。学生時代から通算して都内でのライブは人並み以上には行っていると思っていたのだが、実は赤坂を代表するライブハウスである赤坂BLITZ童貞だったことに今更気づく。建て替わる前から入った記憶が全くない。意外な所で童貞喪失となってしまった。

当日は雨降りで都内では桜が満開のピークを少し過ぎた位のタイミングで、雨で桜が完全に散ってしまうだろうという感じの天気だった。BLITZに到着、入場待ちの列に傘をさしながら並ぶ。どうやら会場内に傘立てが無いらしく、係の人たちが折りたたみ傘以外は場内持ち込み禁止で会場の外の柵にかけておいてくれというあまりにも雑な指示をしていた。自分はいわゆる折り畳まない普通の傘をここ数年一本も所持しておらず、常に折り畳み傘生活なので平気だったが、後ろに並んでいたご婦人は、「高い傘なのに、外に放置なんて無理」と嘆いていた。もっともな感覚だと思う。いつも折り畳み傘だから気づかなかったけど、雨の日のライブって赤坂BLITZに限らずいつもこんな雑なオペレーションだったかな?と思ってしまった。鍵かける傘立てくらいあってもいいんじゃないすかね。

ロッカーにカバンを預け、ドリンクに並んだ後に会場に入ったら中は既に暗くかなり混雑しており結局ドア付近に残ってた僅かなスペースで妥協した。普段は音のバランス考えてできるだけ中央を目指すんだけど、久々に動けないくらい混んでいたし動ける空気でもなかった。革靴だし無理はしない。ちびちびバーボンソーダを飲んでる間に前座が終わり待ちに待った本編である。

音楽について最近はめっきり新譜を追う時間がなくなってしまい、基本的に過去に聴いた貯金だけでライブに行く機会が多くなってきた。今回も例外ではなく、特に予習もせず、最新アルバムを一周だけ聴き流した程度で行ったのだが十分に楽しめた。Vocalもさることながら、バックバンドが素晴らしかった。特にデイビッド・T・ウォーカーばりのプレイをするギタリストはコーラスまでうまくてとにかく芸達者。観れてよかった。桜満開の時期に来日するのは初めてというMCを聴きながら、冷静に考えると桜が満開になるのなんて年に一週間もないので(しかも毎年ズレる)本当にいいタイミングだよなと思った。

ライブが終わって外に出たら雨が止んでいた。雨に濡れた桜の花が美しかった。ほんとラッキーだな、コリーヌ。すっかり酔いが冷めていたので一杯と思ったけれど、翌日がしんどいので寄り道せずまっすぐ帰宅した。