Nadegata

なで肩です。

2017/5/19 The New Mastersounds@Billboard Live Tokyo

f:id:yoorit:20170524231147j:plain

The New Mastersounds(以後、NMS)の来日公演に行くのは随分久々だ。確か8年前くらいかな?柱が悪名高い渋谷クアトロで満員の中観た記憶がある。その後アメリカで2回ほど行ったけど、正直なところ西海岸での彼らの人気・知名度は日本のそれより少し劣っているようにその時は感じた。二都市で行ったけど、どちらもガラガラとまではいかないけどかなり空いていて、客のノリもそこまでよくなかった(無論演奏は最高だったが)。同じアメリカでも黒人文化が比較的薄い地域においては、ファンクのような黒い音楽はあまり受けないのかもしれない。

Venueも一回はしっかりしたライブハウスだったけど、2015年のUSツアーで行ったときはビーチ沿いの場末のヒッピー臭のするバーみたいな場所で、店内でお姉ちゃんが売り歩いているPabst Blue Ribbon(通称PBR)というコスパ最強の超絶薄味ビールを缶で買って適宜飲むといういかにも安そうな会場でやっていた。それはそれでよかったけど。

 

そういう意味で日本人は黒い音楽を熱心にDigしてきたカルチャーがあるからか、知識量とか含めてリスナーの平均値がやたら高いのかもしれない。そんな黒汁ウェルカムな土壌の日本で彼らは「銀河系最強ファンクバンド」なんてものすごい異名で紹介され愛されているが、銀河系かは知らんけど、贔屓目抜きに見ても現役で世界最高峰と言っても異論は出ないでしょう。

さて今回の会場はBillboard Live Tokyo。普段ライブに一人で行くことに全く抵抗が無いし、むしろ一人が基本なんですが、BillboardやBlue Noteに行くときは、一人で観に行くのも少しためらうのでいつも誰かを誘うことにしている。

気にしすぎと言われればそれまでですが、家族連れとかカップルが多い中で相席になるとお互い妙に気まずいからという私なりの配慮です。アメリカ時代にEspelanza Spaldingのコンサートに行った際、海辺の野外ステージで4人テーブルで家族で団らんしてる中で一人突入し(指定席だったのだ・・・)、いたたまれない気持ちで観ることになり肝心のライブもEmily's D+Evolution名義だったため、あまり好きになれずどんよりとした気持ちになったあの日の教訓。

今回は友人を誘ってみたものの当てが外れ一人で参加。今回はジャンル的にもたぶん平気だろうと予想。予感は的中し、案の定会場内は普段の4割増位の感覚で一人で来てる男性率が高い。自分のテーブルは前後あわせてほとんど一人で来たおっさんたちだった。良かった。

演奏は言わずもがな最高。席に案内される際、係の人に「今回は途中からスタンディングになりますので・・・」と言われたが、中盤まで立っている人は数人という状況で、後ろの人の見え方とか気になり妙に立ちづらい。しかたないから椅子に座りながら全開で踊っていたが、後半から同じような葛藤を抱えていた周りの一人組のおっさん達がぞろぞろと立ち出しので、後半はスタンディングで思い切って楽しめた。

途中、タマフルリスナーにはお馴染み、バーナード・パーディのドラムフィル「ダ・チーチーチー」*1が何度か出てきて、ウェーイ!と一人心で呟いていたのだが、翌日のタマフルの放送で「ダ・チーチーチー」特集第二弾がちょうどやっており、その中で、今回のライブ前にNMSのメンバーにMobyが「ダ・チーチーチー」の話をして、オリジナルTシャツを渡したところ妙に気に入ったらしく、当日の演奏ではいつもより多めに「ダ・チーチーチー」をかましていたと話していた。*2 うーん面白い。やってたのは気づいたけど、さすがにいつもより多いかまではわからんわ。

 

しかし何度来ても思うが、雰囲気とか景色は申し分ないのだが、Billboard Liveは本当に音が悪い。割と中央のいい位置にいても関係なく悪い。特に今回みたいなボーカルが無いバンドの場合は顕著に音の悪さが出る。おそらく構造上の問題なので改善の余地は少なそうだが、次回NMSが来日する際も今回の流れでBillboard Liveになりそうな予感。もっと音の良い、かつ、カジュアルに踊れる箱での来日公演を切に願う。

終了後のサイン会用に2015年のUSツアー後、Nashvilleのスタジオで一日で録音されたという新作アルバムを購入。サイン会自体はメンバー全員が横に並んで一人ひとりサインして横に流していくというまさに流れ作業の淡白な感じでほとんどしゃべれなかったが、「これが録音された時のUSツアーいったよ」とだけ取り急ぎエディに伝えたら、少し驚いていた。

またの来日を心よりお待ちしております。