Nadegata

なで肩です。

2017/4/30 Paul McCartney One on One Japan Tour@東京ドーム

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4月は本当にライブによく行った。4月の締めくくりはポール・マッカトニーの来日公演。もはや説明不要のリビングレジェンド。

なんか最近しょっちゅう日本に来ている印象があるけど、80年に大麻所持で成田で捕まってから、10年後の90年に来日して以降、今回が6回目の来日公演のようだ。

 

  • 1990年@東京
  • 1993年@東京、福岡
  • 2002年@東京、大阪
  • 2013年@東京、大阪、福岡
  • 2014年@東京、大阪(中止)
  • 2015年@東京、大阪
  • 2017年@東京

 

並べてみると2010年台以降の来日頻度が急速に上がっているので、しょっちゅう来ている印象があるんだろう。14年の公演が体調不良で中止になったり、武道館のチケット代が10万で色々と話題になったことも記憶に残ってる要因かもしれない。

自分は2014年、アメリカでOut Thereツアーに参加したので、ポールを生で見るのは今回二回目。2014年のライブは凄まじかった。アメリカで大御所から新人まで割と幅広くライブに行ったけど、アメリカ時代のベスト3を選んでと聞かれたら間違いなくポールが入ってくるレベル。誤解を恐れずに言うと、大御所が演るライブは往々にしてクオリティ二の次の集金ライブで、声が聞ければいいという往年のファン向けの内容だったりするイメージがあったけど、当時御年72歳のポールのクオリティは現役感バリバリの素晴らしいとしか形容できないステージで、正直死ぬ前に一度見れれば良いやという気持ちでチケットを買ったのだが、終わった頃には「次も絶対行きます、行かせてください!」という感じになってしまっていた。

ちなみに日本では来日のたびに東京で数回公演しているが、アメリカは広いので、毎回都市は固定されず、様々な都市をツアーのたびに変えている。なので都市によっては今回が40年ぶりとか50年ぶりとかも当然あるので、毎回複数公演観れる東京のファンは世界でも相当ラッキーな環境にいると思ったほうが良いと思う。

 

今回は来日最終日の東京ドーム公演に参加。東京ドームに入るのも実は今回初めてだった。もう何も驚かない。人混み&大きな箱嫌いにも程がある。野球だってアンチ巨人だから東京ドームなんて行く機会なかったし、(別に野球嫌いでもなく、他の球場はいったことある。)東京ドームでコンサートやるアーティストって、ジャニーズやらEXILEやらというイメージがあるので、nestをホームとしていた自分にはまず接点がなかったのだ。

開場前、東京ドームシティで時間つぶしがてら都市型ジェットコースターの最高峰、サンダードルフィンをキメた。何度乗っても発車地点直後の垂直降下はヒュンとなり最高だ。

開場後もドーム前は異常な人だかり。やはりすごい集客力。ドームの入り口で気圧変化を感じる。ああ、東京ドーム経験者はみんなこういう経験をして来ているのかと東京ドーム童貞ならではのリアクションをしてしまった。

演奏の内容自体は3年前の公演とセットリスト、サポートメンバー含めそう大きく変わらず、相変わらずの現役感。素晴らしかった。何より演奏中の姿勢の良さがすごい。猫背気味の自分よりよっぽどいい姿勢だと思う。

英語にカタコトの日本語を織り交ぜつつ、同時通訳された日本語がステージ両サイドの巨大スクリーンに映し出されるシステム。来日公演は結構前からこのシステムらしい。めちゃくちゃ聞き取りやすい英語を話しているが、ポールの言ったジョークに対して、一呼吸置いてスクリーンに翻訳が映し出されてからドワッと観客が笑い出すという遅延感が逆に面白かった。それにしてもなんど見てもすごいスクリーンだ。遠くから見ても全く粗さを感じない。いくらするんだこれ。

終盤のHey Judeで事前に配られた青いサイリウムをみんなで一斉に降る演出。この人数が一斉に降るとやはり壮観だ。ステージから見たらどう見えるんだろうか。ネモフィラ畑みたいに見えるだろうか。茨城では今の時期が満開だそうでいつか見に行こうと余計なことを考えてしまった。

 

終演後はドームから出る際に、また気圧による強風でびっくりしつつ、人混みを避けて駅をスルーして15分位歩いた先の飲み屋へ。結構ドームから離れているのに、隣の席にポールのTシャツ着たご婦人方が後からやってきた。長居するつもり無かったのに、隣であまりに楽しそうに感想を喋りあっているので、流れで加わって世代を超えて大いに語り合ってしまった。今回は全日程参加したらしい。気合入ってる。お若いのによく知ってるわねぇなんて言われながら、もう少し話してても良かったが、翌日は普通に仕事だったので終電で帰宅。今後もポールの東京ドーム公演に行ってれば、きっとまた同じ飲み屋で会えるでしょう。お元気で。

 

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2017/4/26 The Wisely Brothers HEMMING UP! TOUR@o-nest

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The Wisely Brothersのワンマンに行った。ツアーファイナルとのこと。nestに行くのは何年ぶりだろうか。10年前の2007年〜2009年あたりは一時期毎週のように通ってた時期があったので、国内で通算して一番行ったライブハウスはどこかと言われると、おそらく現存するライブハウスではnestだと思う。それくらい通ってた。いつしか一階のコンビニはam/pmからローソンに変わり、nest自体もTSUTAYA系列に変わってたものの、エレベーターを登り、久々に中に足を踏み入れると良くも悪くもnestはnestのままで謎の地元感というかホーム感というか、すぐにそんな感覚が湧いてきた。

 

The Wisely Brothersを知ったきっかけは本当に偶然だった。深夜にまどろみながらラジオをダラダラ聞いていたら、「〜いずりーぶらざーずの、○○をお聴き下さい。」と曲紹介がふと流れてきて、The Isley Brothersファンとして思わず、「読み方はアイズリーじゃなくてアイズレーだからそこんとこ間違えるなよ」と反応してしまい、記憶に無い曲名だなと身構えていたら、黒さをまるで感じないイントロからの女性ボーカル。でもこういう感じのバンドめっちゃ好きだわ。といういことで曲途中でググってワイズリーに辿り着いたのでした。ガールズスリーピースバンド。最高。

調べたところこのアイズレーファンの心をくすぐるバンド名はボーカルの真舘晴子のお父さんがつけたらしい。曲調は全く黒くないし、そしてガールズバンドなのにブラザーズ。でもこのバンド名じゃなかったらきっとちゃんと調べてなかったと思うので、結果的にこのネーミングのおかげで出会えたようなもんだ。お父さん、失礼ながら全く存じ上げませんでしたが、職業はデザイナーとのことで、ナイスセンスなのも納得です。

 

さて、今回は3/29にリリースされた「HEMMING EP」のリリースツアー、EPのプロデュースはGreat3の片寄明人。またいい人に目をつけられたもんだと思った。片寄明人さん本人とは全く面識ないし、ライブに通う熱心なファンというわけではないが、個人的にGreat3はもちろん、奥さんのChocolatも好きでアメリカにもCD持っていって車でずっと流してたし、なんなら白根さんも、Curly Giraffeだって好きだし、もちろんジョン・マッケンタイアだって大好きだ。TBSラジオのマイ愛聴番組「たまむすび」のテーマソングがChocolat&Akitoの曲ってのにも不思議な縁を感じる。そういえばnestで二人のライブ観たこともある。

全くの余談だけど、第88回アカデミー脚色賞取った映画「マネーショート」に何故かChocolat&Akitoの曲が使われていて、エンドクレジットで名前見つけてびっくりした記憶がある。見終わった後見つけた本人のFBによると、どうやら本人たちも何に使われていたのか知らなかったらしい。

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話を戻す。ライブ前にHemming EPを聴いた第一印象は「音がいいなぁ」という感想だった。EPとしてきれいにまとまってるし、個々の曲の出来も良い。ただ、個人的に初期のローファイな音が好みだったので、成長を目にするのは嬉しい半面、きちんとしたプロデューサーがついて、きちんとした環境で録音をすることで、いい意味での「粗さ」がこのまま消えちゃったら嫌だなぁと思ったのも正直なところ。ライブだとどうなってるんだろうか。

 

ところで、ツアータイトルにもなってるHemming Upというのは英語で「裾上げ」の意味だ。自分はアメリカで暮らすまでこんな英単語知らなかったし、日本で使うことはまずない単語だろう。ただ、実のところアメリカ生活中でも覚えている限り二、三回くらいしか使ってないと思う。その辺のモールで売ってるパンツは、あらかじめいろんなウェストと長さの組み合わせが用意してあって、サイズの合ったものを選べというスタイルなので、まずわざわざ裾上げする機会が少ない。もちろんちゃんとしたジーンズ専門店とか行けば裾上げしてくれるけど、そもそもジーンズの本場のくせにちゃんとしたジーンズ売ってる店はそんなに多くないし、あったとしてもまともなジーンズ屋やセレクトショップにおいてあるジーンズはほとんど日本製なので全然買う気が起きないので、Hemming Upを使う場面が殆どなかったのだ。日本のジーンズはいつの間にか本場を随分と追い抜いてしまっていたのだ。ことジーンズに関しては間違いなく世界で一番だと思う。

 

音源に「裾上げ」なんてタイトルつけてなんのこっちゃと最初思ったが、EPの二曲目の「アニエスベー」の中の

久しぶりに買ったアニエスベー

あなたが裾上げしてくれる

というフレーズでこの曲がタイトルの元になっているんだろうとすぐ気づいた。

(当日の曲紹介で本人もそう言っていたので間違いない。)

ただ、最初にこの曲聴いたときは裾上げはともかく、この年代の若者がまだアニエスベーなんて買うのか?と思ってしまった。最近の流行りは全くわからないけど、自分の記憶だとアニエスベーが流行ったのって15年以上前だった気がする。アニエスベーと聴いてまず思い浮かぶのは小籔とレイザーラモンでやっていた「ビッグポルノ」というお笑い音楽ユニットのSunrise SunsetというNew Editionの名曲「Mr. Telephone Man」のトラックに乗せてひたすらペニス、ペニスと繰り返すド下ネタソングの歌詞である。

西沢学園にいるオニキス

最近人気無いブランド、アニエスベー

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ビッグポルノが2004年時点で「最近人気無いブランド」と歌ったアニエスベーを、2017年に20代女子に久々に買ったと歌われると複雑な気持ちになる。定番としてまだそこそこ人気あるのかな。どちらにせよ自分はどうもあのトカゲのロゴが嫌いで過去に一枚くらいしか買ったこと無い。

 

また話がそれた。

ライブでの3人が奏でる生音に乗せた楽曲たちは、CD音源のリッチな音とはまた違ってとてもいい。音源聞いた際の勝手な心配もライブが始まったら全部杞憂に終わった。やはりガールズスリーピースはライブに限る。MCでの3人の掛け合いも最高である。みんな本当に楽しそうに演奏しているのが伝わってくる。

 

特にアンコール前の最後で演ったサウザンド・ビネガーが本当に素晴らしくて、震えてしまった。

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なんていい曲なんだ。音源で聴いたときももちろんいい曲だと思ったし、今回のEPの中でも圧倒的なキラーチューンだと思ったけど、生で聞くと迫力がまるで違う。他の曲の演奏もよかったけど、この曲だけ声のボリューム少し上げたのかなって思うくらい演奏にギア入った感じがした。聴いてて少し涙出そうになった。

基本的に曲は全部ボーカル真舘さんが書いてるのかと勝手に思ってたけど、サウザンド・ビネガーはドラムの渡辺朱音さんの作詞作曲のようで、改めてすごいバンドだなと感じた。しかも高校生の時に17歳で初めて作った曲とのこと。そう思うと「センスなし子」なんて若干あざとさを感じるフレーズもしっくりくる。しかしすごい曲書く高校生だな。

 

あと、どうでもいいけど、ボーカルの真舘さんが素晴らしいなで肩の持ち主だった。こんなブログ名つけるくらいなので当然私も相当のなで肩である。(好きな服はパーカー。肩にボリュームが出るから。そして嫌いなバッグはトートバッグ。急斜面に持ち手をかけるなんて無理!)殆どの人にはどうでもいいと思うが、真舘さんはそんな私も見とれてしまうほどのなで肩だった。サウザンド・ビネガーの感動もさることながら、なで肩アーティストとして今後も応援していこうと思った。

 

 終演後、ふと思い出して10年前にnest帰りによく寄っていたラーメン屋・櫻坂に立ち寄って帰った。渋谷で10年変わらず生き残ってるんだから大したもんだ。味は昔のほうが美味しかった気がするけど、きっと気のせいだろう。

 

2017/4/22 miu mau 記憶とヒロイン Release Party@下北沢THREE

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ここ最近はライブ頻度が高くなっている。単純に行きたいライブの時期が被っただけなんだけど、仕事の忙しさと比例してライブ頻度が上がる傾向があるのは、無意識に仕事のストレスを発散したい本能が働いているのかもしれない。

仕事中、日中は基本的に音楽を聴けない環境なのだが、22時過ぎて、周りの人がだいぶ減りだし、電話も鳴らなくなったあたりからイヤホンをつけて音楽を聴きながら集中して作業をすることが多い。先週も遅くにSoundcloudを流しながら残業していたところ、SaToAという女性スリーピースバンドの曲があまりにも良くて、思わず仕事中断してアーティスト確認してしまった。昔名前はちらっと聞いたことあったけど、しっかり曲聴いたのは初めてだった。 

 

 

近々ライブやるかなと思って調べたら、なんと週末に下北のイベントに出るらしい。

イベント自体は福岡の女性スリーピースバンドのmiu mauの新譜のリリースイベントとのこと。こちらもちゃんと聴いたことなかったのでBand campなんかで少し聴いてみたらシンセがきいててSaToAとはまた違うけどこちらもなかなか好みの感じだ。

 

 

そもそも自分は女性スリーピースバンドというだけで割と無条件で好きになる傾向がある人間なのでどちらもすぐにコロッと行ってしまう。(ビジュアル的な要素は抜きにして単純に構成として好き。)SaToAもmiu mauも女性スリーピースということで行かない理由はゼロ。幸い週末の夜は空いてたので迷わずチケット予約した。

渋谷で用事を済ませたら半端な時間。雨でカフェも混んでいて時間潰すのもめんどくさいので、まっすぐ会場に向かったらまだほとんど人は入ってなかった。THREEに来るのはいつ以来だろうか。入り口がわかりづらいけど、迷わず来れた。Foursquareでチェックインしたら「2013年5月以来のチェックインです!」と出てきたので、4年ぶりだ。データ遡ってあさってみたところ、4年前THREEで何を観たか律儀にメモしてあった。昔はしっかりした性格だったんだろう。住所不定無職とスカートが出たイベントのようだった。おそらく住所不定無職のリリースのイベントだった気がする。住所不定無職も女性?スリーピースだったけど、そのときは新メンバーが加入して4人体制になっていた記憶が。最近は住所不定無職では活動しておらず、ヨーコ抜きのメンバー+αでMagic, Drums & Loveというバンドとして活動しているらしい。何があったのか知らないけど、路線変えたくなったのかな。前に比べたら覚えづらいバンド名だ。今後どこかでライブ聴くことがあれば。

スカートは当時と路線は変わらず、じわじわと売れてきていて嬉しい。Mステ出演、「山田孝之カンヌ国際映画祭」のEDや映画「PARKS」出演とか話題にキリがない。1月にWWWでのワンマンに行った時、ワンマンでもガッツリ埋まっていてすごいなぁと素直に思った。そもそも4,5年前の東京インディー界隈で演ってたバンドが、解散することなくコンスタントに作品出して生き残っているというだけでもすごいことなんだと思う。当時スカートとよく一緒にライブ演ってたトリプルファイヤーの吉田がタモリ倶楽部にライムスター宇多丸と一緒に出てきた時はびっくりした。すごいキャスティングするんだな。そう考えるとスカート澤部もどうみてもタモリ倶楽部向きのキャラクター。実現すればタモリと再共演か。楽しみである。

natalie.mu

 

また話がそれた。THREEに入ったら外人がDJ回してた。ポスターにあったIan Martinって人。自分の本も売ってた。Amazonでちらっとみてみたら東京のアンダーグラウンドシーンについて書いた本のようで面白そうだったけど、英語で読むのはちょっとしんどいので買わず。しかし面白いところに目をつける外人もいるもんだ。

Quit Your Band! Musical Notes from the Japanese Underground

Quit Your Band! Musical Notes from the Japanese Underground

 

彼伝いの客だと思うんだけど、最終的に会場の客の3,4割位が外人だったと思う。最近の下北は随分と国際的だなと思ったけど、このライブ主催してるのもIanとのことだったので、多分いつもこういう客層というわけでもないんだろう。自分も似たようなアメリカの小規模ライブハウスに日々通いつめてたけど、日本人なんて当然一人だったし、ここまで異国のライブシーンに入り込んでいるってやっぱすごい。彼らは日本流のライブハウスでの振る舞い方とかをきちんとわきまえてて、ただ友達を観に来ただけとう感じではなく、ノリも悪くないし、変に馬鹿騒ぎするわけでもなく、純粋に日本のインディーシーンが好きで観に来ている感じがして非常に好感を持てる方々でした。MCでも反応していたから日本語ある程度できる方々なのかな。たぶん。

まだ客が入りきってないけど、そうこうしているうちに一組目が始まった。LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTSというバンド。ここ数年東京のインディーシーンから離れていたので知らなかったのでどんな若手バンドが出てくるんだろうと思っていたら、結構しっかりとした演奏する方々だった。調べてみたら元マヒルノの方とのことで納得。ちょっとnhhmbaseっぽさもあると感じたけど、そこは&Records繋がりなのかな?そういえば残念ながら仕事で行けなかったけど、元nhhmbaseのマモルのやっているバンドのライブが金曜にもあったらしい。共演はスカートと残念ながら解散した元group_inouのimai。nhhmbaseといい、group_inouといい、10年前のnest周辺でバリバリ演ってた人たち。まだあの界隈の方々が元気でやっているのを知って懐かしく、嬉しくなった。

&Records繋がりで言うと、途中YOMOYAっぽい曲があった。イメージダメージってフレーズ聞くまでYOMOYAの名前なんてすっかり忘れてた。もう解散してるみたいだけど、いいバンドだった。懐かしい。

 

二組目はJEBIOTTOというニューウェーブっぽい80'sシンセサウンドの面白いバンドだった。こちらも恥ずかしながら初見。めちゃかっこいい。MCで博多うどんと讃岐うどんの話ししてて、自分も博多うどんLOVERなのでめっちゃ食いたくなった。

数年前福岡に行った際、とある博多のラッパーと飲み、その後におすすめのラーメン屋を尋ねた際に、俺らは普段はラーメンはあまり食わんで、うどんのほうがよく食うよと教えてもらい、実際に食べてみたときの衝撃は今でも忘れない。うまいもんがひしめく博多の中で全くノーマークだった。コシのないうどん。もっと東京でも食べられる場所が増えて欲しい。カモン、ウエスト。

 

三組目はお目当てのSaToA。ガールズスリーピースかくあるべきという感じ。MCの喋り方とかまだカチッとハマりきってない立ち居振る舞いとかローファイサウンドとか全部含めて最高。英語歌詞の曲も結構あるみたい。日本人の女の子の歌う英語の歌詞の曲ってなんか好きだ。変な話、ネイティブっぽさが少ない方が個人的によい。

 

四組目は convex level。86年結成の関西のインディーシーンの重鎮らしい。名前は聞いたことあったけど、ライブは初めて。結成31年目なのかな?メンバー全員67年生まれなので、50歳か。かっこよすぎる。仕事でこの年齢の人達とやり取りすることなんていくらでもあるけど、こんなかっこいい50歳なかなかいない。自分の場合、年齢が高いミュージシャンとかお笑い芸人を見ると、普段どうやって生活してるかとか、家族はどうしてるんだとか目の前のパフォーマンスと関係ない部分がついつい気になってしまうんだけど、彼らの演奏みてるとそんなこと関係なしに素直に聴き込んでしまう。後輩バンドたちは彼らを見て、正直素直に「こうなりたい」と思うには相当勇気のいることだろう。ただ、インディーシーンでも続けていけるという偉大な先行事例としてリスペクトされてるんだと思う。自分の出番を終えたルロウズやJEBIOTTOのメンバーがノリノリでステージに見入っているのを横目にそんなことを思った。

 

最後はmiu mau。トリだけあってやっぱりしっかりとしている。全員白のステージ衣装で、やっぱ3人の衣装の色とかテーマが統一されてたりするだけでインディーの中ではすごいきちんとしてる感出るよなぁと思う。どちらが良いってわけではないけど、インディーシーンは私服で出るバンドが多いので、良い意味で目立つよね。こちらもJEBIOTTOと同じくシンセ、ギター、ドラムという構成だけど、音楽の方向性はまた違っていておもしろい。隣りにいた外人も「スバラシイ・・・」と呟いていた。MCで、偶然今日の出演バンド全組が偶然スリーピースバンドで、さらに会場もTHREEという奇跡みたいな組み合わせになったと言ってたけど、意図してなかったんだ。すごい。メンバーが香川と福岡で分かれて活動してるらしいので、東京で見れるのは結構ラッキーだったのかな。素晴らしい演奏だった。

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しかし5組も観たのに全く疲れず。全バンドが素晴らしいって本当にいいイベントだ。久々にこの界隈に出入りしたけど、客の年齢層はそんなに若くなくて、なんとなく自分も居心地良かった。自分も10代後半の頃ライブハウスに入り浸ってた頃は、年食ってきたらこういうライブには行かなくなってもっと落ち着いた着席して聴くようなライブでばかり行くようになってるんだろうなぁと思っていたが、実際に年を取ったら、半分は正解だけど、半分以上はまだまだキャパ1000人以下のスタンディングだ。やっぱりこういうライブに行くのはいくつになってもいいものだと思った夜だった。物販でSaToAの音源を買って帰った。

2017/4/15 Norah Jones@日本武道館

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Corrine Bailey Raeに引き続きまたしてもライブ。こんなに間があかないのは久しぶりだ。しかもなんとなくリスナーが被ってそうなアーティストが続く。完全に見逃してたのだがEsperanza Spaldingも先月Blue Noteに来てたみたいで、まぁこの手の音楽が好きな人にとっては随分と嬉しく忙しい春になったんじゃないでしょうか。

Norah JonesのチケットはUDOの先行で去年のうちから4/14のチケットを取っていた。しかも何を血迷ったか誰にも相談もせず、友人がきっと行くだろうと仮定してS席2枚を購入。昨年末にその想定していた友人と飲んだ際に話を振ってみたら友人は友人でS席1枚を先行で予約していた。ある意味で予想通りだったので思わず笑ってしまったが、チケットは一枚浮いてしまった。困ったなぁと思いつつ、まだだいぶ先なのでその頃には誰かしら見つかるだろうと楽観的に構えていたらあっという間に年度末。そして当然のようにライブ予定日に入る仕事。やはり繁忙期の平日はリスキーだった。悲しいけどサラリーマンとしては仕事優先である。しかたなくチケットキャンプで貰い手を探す。幸いアリーナ席ではないもののステージ正面のかなりの良席だったので、発券手数料分なんかを上乗せした値段にしてもすぐに貰い手が見つかった。もともと儲けを出すつもりなんてなかったけど、売り手の手数料やらシステム利用料とか、売上金を引き出すのにかかる手数料など諸々が胴元に掠め取られて、結局のところは赤字である。でも捨てるよりは全然マシなので行きたい人に譲れて良かったと考えよう。

最近は色々とチケットの転売について盛んに議論されているが、根本的に悪いのは転売屋なわけで、個人的には純粋に仕事なんかで行けなくなったチケットがこういう形で捌ける仕組みは何かしらあっても良いと思うし、手数料は高いが実際に助かってるのも悔しいけど事実。チケキャンなんてなかったその昔はmixiのコミュニティでファン同士でチケットほぼ定価でアングラに譲り合っていたけど、今現在はコミュニティ覗いても誰も人なんていない。(そもそもログインIDすら覚えていない人が多いのではないだろうか。)そんでもってチケットキャンプを運営してるのがmixiというのもなんとも皮肉な話である。余談だがアメリカではチケットのリセールサイトは当たり前にあって、有名どこだとebayに買収されたStubHubなんかは知らない人はいないくらいメジャーなサービスになっている。自分もたまに利用していた。

仕事だと割り切っていたものの、日が近づいてくうちにどうも諦めきれなくなり、ふとチケキャンを覗いてみるとちょうど自分と同じように急な出張で行けなくなった人が追加公演の4/15のチケットを売り出していた。アリーナ前列の嘘みたいな良席だったけど、直前だったのでほぼ定価。胴元に取られる手数料考えたら確実に相手方は赤字だ。予定もなかったので何かの縁かと思い購入した。公演二日前の話である。チケットが届いたのは当日の昼前。本当にラストミニッツだ。

そういえば、赤坂BLITZに引き続き実は武道館も中にはいるのは初めてだ。首都圏で生まれ育って、そこそこライブ好きを自認していたのにこの有様。お恥ずかしい限りである。いや、東京にVenueが多すぎるだけなんだ。というか武道館はそもそもライブハウスじゃないだろう。大きな箱アレルギーをこじらせてこの歳まで来てしまっただけのこと。そんな自分もついに武道館童貞喪失である。その昔、学生時代の彼女の学校の入学式だったか卒業式だったかが武道館で行われていて、武道館前あたりまで迎えに行った記憶はあるが、確か中には入ってない。中に挿れないと喪失とは言わないのです。

いざ中に入ってみると思ってたよりも狭い。アメリカのカレッジのアリーナとかでやるライブのほうがよっぽどでかいなこれは。前座はバックバンドのメンバーがやっているバンドのようだ。オルガンがファンクっぽくて音自体はきらいじゃないんだけど、前座あるなんて想定してなかったし、妙に冗長で前日の疲れから少し寝てしまった。開始から30分位経ったあたりだろうか、曲の途中で隣りの席に座っていたおばさんが「これってノラ・ジョーンズですよね?」と話しかけてきた。前座だと知らず、ずっと本編だと思って観ていたが、いつまでたっても自分の知っている曲が流れないので痺れを切らしたんだろう。ステージに女性がいない時点でもうちょい早く気付けよと思ったが、そこは向こうも恥を忍んで聞いてきただろうから小声で「前座ですよ」と教えてあげた。そしたら「あとどれくらいかかるんですか?」なんて聞き返してくる。知らんわ。

(でも、自分も2月に行ったJames Blakeの東京公演で似たような勘違いをしたので全くいばれる立場ではないのだ。あの時は国際フォーラムだったか。セットリスト見るために前日の大阪公演のTweetを検索していたら、前座のD.A.Nが良かったという情報がちらほら。てっきり東京公演も前座あるもんだと思って構えてたので、前座なしでいきなり本編始まったにもかかわらず5分くらいイケてる前座だと思って観ていた。暗くて遠くてよく見えなかったんだ。)

そうこうしないうちに前座が終わり休憩20分挟んで本編。正直Norah Jonesに関してはここしばらくあまりパッとしないアルバムが続いた印象があったが、新譜はJazz回帰していて割りと好みだった。今回ライブに行こうと思った理由の一つでもある。

ライブ自体は新譜の曲多めで全般通して素晴らしかったが、自席とは反対側の位置にピアノが置いてあり、ピアノ曲の際は背中ばっかり見つめていた気がする。アンコールでもずっとステージの反対側の端で演奏していたのでもうちょい真ん中来てほしかったなあ。愚痴っぽくてなんですが、リクエストもされてないのに客が曲の合間に「○○プリーズ!」とかやってほしい曲を叫ぶのはみっともないので辞めて欲しいものである。しかもそのうち一回は曲名すら間違えてたし。セットリストはアンコール含めてかっちりと事前に決まってるんです。

ちなみに、ここ数年で個人的に一番よく聴いた彼女の曲である、WilcoのJesus, Etc.のカバーは全く期待もしてなかったけど今回のツアーでは当然やらず。未だにたまに聴いてます。本当に良い曲。


JESUS ETC ~ NORAH JONES live at Ancienne Belgium 2010

 

武道館のアリーナのパイプ椅子はどうやら何時間も座ることを前提にしていないらしい。スタンディングのほうがよっぽど楽に感じるレベルである。ライブ後はさっと立ち上がり、九段下の駅に吸い込まれていく人ゴミを横目に神保町まで歩き、エチオピアでチキンカレーを食べて少し汗ばみながら帰宅した。

2017/4/11 Corinne Bailey Rae@赤坂BLITZ

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先週になるが4/11にCorinne Bailey Raeの来日公演@赤坂Blitzに行った。

 

春は特に仕事が繁忙期でなかなか平日に時間が取れないのだが、どういったわけかそんな時期に限って行きたいライブが重なるものである。(逆に仕事が暇な時期はライブもなぜか少ない。)仕事を早めに切り上げて赤坂に向かう。

赤坂は自分の行動範囲のどこからも妙にアクセスしづらい地で、むかーし付き合っていた彼女に高い焼肉をおごった記憶と、バナナムーンリスナーにはお馴染みの「かおたんらーめん」に知り合いに呼ばれて合流する時くらいしか縁が無かったのだが、ここ半年くらいで、ちょっとした用事で赤坂に出向くことが増えて少しだけ土地勘がついてきた。

意外と食事処も多いし、美味しい洋菓子屋なんかも充実しており(しろたえやリベルターブルなんていつ行っても混んでる)、しょぼいけどビックカメラもあるのでそれなりに時間は潰せる場所なんだと思えてきている。TBSとマクドナルドの間にあるボロ屋敷はずっと気になっているけど、今に始まった話じゃない。

余談が長くなったが、話を戻すと赤坂BLITZCorinne Bailey Raeのライブである。赤坂サカスがあのへんにあって、ビッグハットがあのへん、ACTシアターがあそこで、BLITZはあのへんだなぁと頭のなかで道順をたどる。うん、目をつぶっても行ける。ただ、どんなライブハウスだったかさっぱり記憶にない。学生時代から通算して都内でのライブは人並み以上には行っていると思っていたのだが、実は赤坂を代表するライブハウスである赤坂BLITZ童貞だったことに今更気づく。建て替わる前から入った記憶が全くない。意外な所で童貞喪失となってしまった。

当日は雨降りで都内では桜が満開のピークを少し過ぎた位のタイミングで、雨で桜が完全に散ってしまうだろうという感じの天気だった。BLITZに到着、入場待ちの列に傘をさしながら並ぶ。どうやら会場内に傘立てが無いらしく、係の人たちが折りたたみ傘以外は場内持ち込み禁止で会場の外の柵にかけておいてくれというあまりにも雑な指示をしていた。自分はいわゆる折り畳まない普通の傘をここ数年一本も所持しておらず、常に折り畳み傘生活なので平気だったが、後ろに並んでいたご婦人は、「高い傘なのに、外に放置なんて無理」と嘆いていた。もっともな感覚だと思う。いつも折り畳み傘だから気づかなかったけど、雨の日のライブって赤坂BLITZに限らずいつもこんな雑なオペレーションだったかな?と思ってしまった。鍵かける傘立てくらいあってもいいんじゃないすかね。

ロッカーにカバンを預け、ドリンクに並んだ後に会場に入ったら中は既に暗くかなり混雑しており結局ドア付近に残ってた僅かなスペースで妥協した。普段は音のバランス考えてできるだけ中央を目指すんだけど、久々に動けないくらい混んでいたし動ける空気でもなかった。革靴だし無理はしない。ちびちびバーボンソーダを飲んでる間に前座が終わり待ちに待った本編である。

音楽について最近はめっきり新譜を追う時間がなくなってしまい、基本的に過去に聴いた貯金だけでライブに行く機会が多くなってきた。今回も例外ではなく、特に予習もせず、最新アルバムを一周だけ聴き流した程度で行ったのだが十分に楽しめた。Vocalもさることながら、バックバンドが素晴らしかった。特にデイビッド・T・ウォーカーばりのプレイをするギタリストはコーラスまでうまくてとにかく芸達者。観れてよかった。桜満開の時期に来日するのは初めてというMCを聴きながら、冷静に考えると桜が満開になるのなんて年に一週間もないので(しかも毎年ズレる)本当にいいタイミングだよなと思った。

ライブが終わって外に出たら雨が止んでいた。雨に濡れた桜の花が美しかった。ほんとラッキーだな、コリーヌ。すっかり酔いが冷めていたので一杯と思ったけれど、翌日がしんどいので寄り道せずまっすぐ帰宅した。